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農業用語辞典/エコ用語事典/環境用語 eco:KINOX

用語名:フィードインタリフ制度(日本版案)

(読み方:ふぃーどいんたりふせいどにほんばんあん)

[説明と解説]


フィードインタリフ制度(日本版案)について、2009年2月25日のエネルギー部会で次のような内容で検討がありました。(以下、一部抜粋)

太陽光発電の新たな買取制度について
蓄電池技術の現状と取組について
燃料電池技術の現状と取組について
産業・社会システムとしての新エネルギーの導入について
その他

ドイツで行われている固定価格買取制度には多数の欠点があるため導入すべきではない。経済産業省も同じ認識と理解している。昨日の大臣の発表については、一面ではメディア等における報道にもあるように、従来の方針を相当大きな政策転換と受け取れる。ただ、ドイツ方式の欠陥を相当程度排除して、家庭の太陽光発電からの余剰部分に特化するなど、必要なことを大臣が決断されたと評価。

太陽光発電の導入拡大に反対する人は一人もいない。一方で、太陽光パネルをのせる家庭は金銭的にある程度余裕がある家庭に限定的。そして、大不況の到来で比較的に金銭的に余裕のある一般家庭でも、太陽光パネルの購入を迷っているのが現状。10倍、40倍という目標をどのように達成するかを見失ってしまいがちな中で、補完的な措置を講じることは必要。

電力料金が一ヶ月当たり数十円〜数百円あがることに関しては定性的には納得をしていない人もいるが、国がこのような形で方針を決めたからには、「国」が消費者へ負担の議論等について説得する義務を持つ。

電力会社は16年間、自主的な取組として「余剰電力買取メニュー」の実施及びRPS制度の着実な実行を行うことで、太陽光発電の普及にも貢献をしてきた。以前より固定価格買取制度よりRPS制度にすべきという考えを電力会社としても主張してきた。

新制度については、政策が示されたところであり、電力会社としても協力していこうということを昨日、電事連森会長からもお答えした。ただし、今後の制度設計を行うためには以下の点に留意する必要あり。

(1)普及促進のために高い買取価格設定を行い、それを国民が広く負担するといった点について理解が得られるよう国が先頭に立って説明を行うこと、

(2)約2倍となる買取価格については、電気事業者のみでは負担出来ないので、買取価格を電力需要家に転嫁する仕組みが必要であること、

(3)電気事業者だけでなく、太陽電池メーカー等にも価格低減にむけた努力を行う制度的な誘導措置が必要であるとともに、また導入補助制度も継続していくべきであること、

(4)余剰電力分のみが対象であるという観点を明確にした制度設計であること。
目標のコスト低下をはかるとすると、電力系統への影響が避けられない。系統対策については今後とも十分議論すべき。

RPS制度にプラスアルファの要素が必要とは感じていた。今まで余剰電力買取りメニューやRPS法における太陽光発電の二倍カウント等があり、導入拡大に大きく貢献してきた。補助金が創設され、地方自治体も補助を講じているところがあり、設置者には利益が出る可能性がある。一方で、太陽光発電によるコスト上昇は、広く負担することになると、太陽光発電システムを購入できる人だけにメリットが生じ、不公平感が生じる。


エネルギー間の競争に加えて、電源間の競争にも配慮すべき。
何年で元を取れるかということが、一般的な庶民感覚として感じる。10年で元がとれることが重要であり、10年を超えると長期すぎるといったイメージ。


家計に余裕がある人が設置する太陽光発電のコストについて、家計に余裕がない人が負担するというのは不公平感がある。

なぜ太陽光発電のみが対象なのか、各家庭の電気代が一ヶ月に数十円から百円程度の負担となることに対して、値段の内数など国民に対して国がしっかりと説明をすべき。

今は太陽光のみだが、次は風力もバイオマスもといったことになれば、また消費者の負担が増えていくことになる。今後の見通しについても説明が必要。

「世界一奪還」というキャッチフレーズで世界一を目指すのではなく、世界に広く発信していくべき。

コスト競争力が最大の課題。太陽電池を開発して50年、商品化して45年、長期的に見れば先行投資であった。固定価格買取制度によって海外では起爆剤となったが、国内だけで見ればメーカーとして儲かってはいない。今回の日本型の買取制度の導入は有効であると思っている。

作成/修正日:2009年4月

※ファーム21ドットネットの農業用語、エコ用語(事典/辞典)はWEB管理人のきつねが、独自に編集、公開しているものです。その為内容の真偽を保証するものではありません。また、法令などの内容、用語の定義は時間の経過と共に変化している場合もあります。